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防犯防災ライト 現役

防犯防災ライト投資の仕組み・期間・キャッシュフロー・PLへの効果。240万円の入口商材の中身

広告表示機能付きの防犯防災ライトを240万円前後で買い、広告収益の分配を受ける最も安い即時償却商材。収入・運営者・買取条件の開示が最も薄く、同じ業者の他商材と同じ「5年で120%」を仮置きしても、税引後の上乗せは32万円である。

査定サマリー
総合判定C-
税務
中
広告収益を受け取る構造は貸付・管理委託に近い
商品
弱
収入の数字が無い。仮置きでも年率2.7%
業者
要確認
設置場所・広告主・運営者が不明
出口
不透明
買取条件の記載なし
結論。価格が安いことは評価の理由にならない。240万円で買えるのは、税理士の顧問先に電話で売れる単価だからであって、商材としての中身が薄いことの裏返しである。

防犯防災ライトは、即時償却商材のカタログで最初に載る、最も安い商品である。240万円から。この価格帯は「利益が200万円余った」法人に、決算の直前に提案される。この記事は、業者が書いていないことを仮定で埋め、240万円の商材が何を買っているのかを示す。

仕組み

法人が、広告表示のディスプレイ付きの防犯防災ライト(街灯型のLED照明に監視カメラや非常時の情報表示を組み合わせた機器)を240万円前後で買う。業者が設置場所を用意し、ディスプレイに広告を流し、広告収入の一部を法人に毎月分配する。運営、保守、広告営業は業者が行う。

税務は経営強化税制のA類型で即時償却、と業者は書く。機器が「器具備品」として工業会証明書を取れるかどうか、法人が自社の事業の用に供しているといえるか、広告収益を受け取る構造が貸付や管理委託に当たらないか。論点は他の運営委託型の商材と同じで、価格が安いからといって軽くなるわけではない。

同じ業者は、1台10万円未満の「Beacon」を多数まとめて500万円で売り、少額減価償却資産として全額損金にする商材も扱う。10万円未満の資産を貸し付けて損金だけ取る型は、令和4年度改正でドローンや足場と一緒に封じられた。データ利用料を受け取る形が「貸付け」に当たれば、同じ除外に当たる。

期間

業者サイトに契約期間の記載は無い。同じ業者の他商材(IoT自販機、GPU)が「3〜5年で120%」で売られているので、ここでは5年と仮置きする。LED照明の寿命は10年前後だが、ディスプレイと通信機器はそれより短い。

キャッシュフロー

240万円で購入、年48万円(20%)の分配を5年、満了時に48万円で買取、合計288万円(120%)と仮置き。実効税率33%、即時償却が認められる前提。単位は万円。

年 投資・売却 分配・収入 損金(−)/益金(+) 税効果 税引後CF 累計
0年目 ▲240 0 0 0 ▲240 ▲240
1年目 0 +48 ▲192 +63.4 +111 ▲129
2年目 0 +48 +48 ▲15.8 +32.2 ▲96.5
3年目 0 +48 +48 ▲15.8 +32.2 ▲64.3
4年目 0 +48 +48 ▲15.8 +32.2 ▲32.2
5年目(分配+買取) +48 +48 +96 ▲31.7 +64.3 +32.2
合計 ▲192 +240 +48 ▲15.8 +32.2

「5年で120%」は同じ販売業者の他商材の表記を当てはめた節税DDの仮定。防犯防災ライトについて業者は「毎月広告収益」と書くのみで、数字を出していない。

仮置きの数字でも、5年間の税引後の上乗せは32万円。年率2.7%である。初年度の税効果63万円は、2年目以降に全額戻る。240万円という価格を「気軽に試せる」と感じるなら、その気軽さの対価は5年で32万円、月に5,000円である。

PLへの効果

初年度に減価償却費240万円と雑収入48万円、2年目以降は雑収入48万円ずつ、5年目に買取48万円の売却益。5年の損益合計は48万円で、税効果の合計は▲15.8万円。他の商材と同じく、即時償却は税を減らしていない。

初年度の損金192万円は、本業の利益を圧縮する。「利益が200万円余った」法人がこれを買えば、利益はほぼゼロになり、その年の法人税は消える。翌年からは48万円ずつ利益に戻る。決算対策としての効果は初年度だけである。

査定

税務の論点は、他の運営委託型と同じ。加えて、広告収益を受け取る構造が「貸付け」や「管理委託」に当たるかは、Beaconで既に封じられた型に近い。

商品と業者の論点は、開示の薄さに尽きる。設置場所はどこか、広告主は誰か、広告収入はいくらで、そのうちいくらが法人に来るのか、運営会社の社名は。240万円の商材について、業者サイトが書いているのは価格と「即時償却」と「毎月広告収益」の三つだけである。

組成側の視点

入口商材の役割は、商品で儲けることではなく、顧客名簿を作ることにある。240万円を買った法人は、翌年「利益が800万円余った」ときにGPUを提案される。売り手にとってこの商材は、税理士の顧問先に電話で売れる単価で作った、次の商材への入口である。買い手が240万円で買っているのは、ライトではなく、翌年からの営業電話である。

買ってよい法人、買ってはいけない法人

自社の駐車場や敷地に設置し、自社の広告を流す用途があるなら、防犯灯としての設備投資に即時償却がつく形で成立する。決算前に「200万円余った」から買う法人にとって、この商材は年率2.7%の仮置きの数字と、開示の無い運営委託契約と、翌年からの営業電話である。

出典
  1. 国税庁 タックスアンサー No.5434 中小企業経営強化税制
  2. 節税DD 税制改正の歴史「ドローン・足場・LED」(少額資産の貸付除外)
関連する語: 防犯防災ライト 節税/防犯ライト 投資 即時償却/広告収益型 防犯灯 投資/防犯防災ライト 240万円/少額 即時償却 商材/節税商材 240万円
本記事は制度と商品の仕組みを一般的に解説するもので、特定の商品の購入を勧誘するものではありません。即時償却は課税の繰延べであり、税額が必ず減るものではありません。個別の税務判断は税理士にご相談ください。