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コインランドリー 縮小
一部残存中小企業経営強化税制からコインランドリー業の管理委託型設備を除外(令和5年度改正)

コインランドリーの即時償却はなぜ縮小したか。令和5年度改正で「管理委託型」が経営強化税制から除外された

数千万円のコインランドリー設備を買い、運営をフランチャイズ本部に丸投げして即時償却を取る手法は、2023年4月1日以後の取得から中小企業経営強化税制の対象外になった。自分で運営する場合だけが残った。

改正の要点
改正・通達中小企業経営強化税制からコインランドリー業の管理委託型設備を除外(令和5年度改正)
根拠租税特別措置法42条の12の4、中小企業等経営強化法施行規則16条2項
適用2023年(令和5年)4月1日以後の取得等。3月31日までに経営力向上計画を申請したものは旧法
現在の状態一部残存

コインランドリーの節税は、封じられたのではなく「縮小した」と言うのが正確だ。令和5年度改正で、運営を業者に丸投げする型は中小企業経営強化税制の対象から外れたが、自分で運営する場合は今も即時償却が使える。この線引きが、その後の改正で繰り返し使われる「管理委託型の除外」の原型になった。

封じられる前の仕組み

中小企業経営強化税制は、中小企業が経営力向上計画の認定を受けて一定の設備を取得すると、即時償却か税額控除を選べる制度である。洗濯機や乾燥機は「機械装置」で、1台160万円以上なら対象になりうる。

法人が3,000〜4,000万円でフランチャイズのコインランドリー一式を取得し、B類型(収益力強化設備)などで認定を受けて即時償却する。設備の設置、集金、清掃、トラブル対応はフランチャイズ本部に全部委託し、法人は売上から委託料を引いた分を受け取る。業者サイトでは初年度に取得額の7割前後を経費化でき、利回りは8〜15%、投資回収は7〜12年と説明されていた。これらの数字は業者の説明であり、一次資料で確認できるものではない。

本業が製造業や卸売業の法人が、決算前にコインランドリーを買う。設備は本物で、店舗も実在する。しかし法人はその店に一度も行かない。

何がどう変わったか

令和5年度改正で、中小企業経営強化税制の対象設備(特定経営力向上設備等)から、「コインランドリー業または暗号資産マイニング業(主要な事業であるものを除く)の用に供する資産で、その管理のおおむね全部を他の者に委託するもの」が除外された。中小企業投資促進税制でも同じ除外が入った。

適用は2023年4月1日以後の取得等。ただし3月31日までに経営力向上計画を申請していれば、認定が4月以降にずれても旧法が適用される経過措置があった。

なぜ封じられたか

与党の令和5年度税制改正大綱は2022年12月16日に決まり、閣議決定は12月23日。会計検査院の指摘は確認できていない。国税庁の問題意識は、大綱の「管理委託型」という除外条件そのものに表れている。設備投資減税は、自社の事業を強くするための設備を後押しする制度であって、他人に運営を任せた資産の損金作りを助ける制度ではない、という整理である。

ドローンの「貸付用の除外」(2022年)と、コインランドリーの「管理委託型の除外」(2023年)は、同じ思想の二つの型だ。買った資産を自分で使わない構造を、貸付という契約形態から見るか、管理委託という運営形態から見るかの違いにすぎない。

改正後に残ったもの

除外されるのは「管理のおおむね全部を委託する」設備である。中小企業庁の解釈では、集金、清掃、利用者への説明などの管理業務を一部でも自ら行っていれば、「おおむね全部を委託」には当たらず、対象になりうる。またコインランドリー業が主要な事業であれば、委託していても除外されない。

つまり、本業としてランドリーを営む会社や、自社の従業員が店舗を管理する会社は、従来どおり即時償却を使える。封じられたのは商材としてのコインランドリーであって、事業としてのコインランドリーではない。

その後、買った人に何が起きたか

改正前に取得した設備の即時償却が否認されたという公的な記録は確認できていない。改正後、業者の売り方は「一部の管理を自分で行う」形へ変わり、フランチャイズ本部が「管理業務の分担」を提案するようになった。ただし節税の効果が薄れた分、店舗の収益性そのものが問われるようになり、立地や競合で採算が合わない店舗が残った。

組成側の視点

コインランドリーの商材で見ていたのは、設備そのものより「委託契約の中身」だった。集金と清掃を誰がやるかで、税制上の扱いが変わる。改正後に「一部は自分でやってください」と言われた買い手が、実際に月に一度でも店に行くのか。行かないなら、契約書の分担表は税務調査で最初に見られる書類になる。形式だけ整えた分担は、貸付除外と同じ結末をたどる。

次に封じられる商材を読む物差し

この改正で確立した「管理委託型の除外」は、2年後にマイニングマシンへ適用され、全面除外まで進んだ。買った資産の管理を他人に任せ、自分は損金と分配だけを受け取る商材は、この型で封じられる候補に入る。トレカ自動販売機、GPUサーバー、両替機。運営委託を前提に売られている商材は、契約書の「誰が管理するか」の欄を見れば、封じられるまでの距離が測れる。

出典
  1. 国税庁 令和5年度 法人税関係法令の改正の概要
  2. 税務通信 令和5年度改正 中小企業経営強化税制の見直し
  3. FP総研 コインランドリー投資と経営強化税制の改正
  4. エレクトロラックス・プロフェッショナル 改正後の経営強化税制の適用について
関連する語: コインランドリー 節税 改正/コインランドリー 即時償却 除外/令和5年度税制改正 コインランドリー/中小企業経営強化税制 管理委託/コインランドリー投資 税制/経営力向上計画 コインランドリー
本記事は制度と商品の仕組みを一般的に解説するもので、特定の商品の購入を勧誘するものではありません。即時償却は課税の繰延べであり、税額が必ず減るものではありません。個別の税務判断は税理士にご相談ください。